ChatGPT WorkとCodexは、どう使い分けるのか
新しいChatGPTデスクトップアプリに並ぶWorkとCodex。重なる機能を踏まえ、公式情報と個人的な使い分けを分けて整理します。

最初に、私の意見を示しておきます。
ChatGPT WorkとCodexの境界は、完全には分けられないと思っています。
WorkでもSiteを作れます。Codexも、コードだけでなく、文書、スライド、表計算を扱えます。特にデスクトップ版では、どちらもファイルやアプリを操作できます。
そのため、「資料ならWork、コードならCodex」とだけ覚えると、実際の画面では迷います。できることの一覧だけで、両者をきれいに分けるのは難しいからです。
一方で、OpenAIはWorkとCodexの主な役割を分けて説明しています。公式ヘルプでは、Workは調査や分析から成果物を作るもの、Codexはソフトウェア開発や技術作業を進めるものとされています。
この記事では、まずOpenAIが公式に説明している内容を整理します。その後で、重なる機能を実務でどう使い分けるか、私の考えを分けて書きます。
目次
- 公式情報:新しいChatGPTにはChat、Work、Codexがある
- 公式情報:Workは調査から成果物を作る
- 公式情報:Codexは技術作業の専用エージェント
- 公式情報:両者の機能は重なっている
- 個人の意見:何を正本として残すかで決める
- 個人の意見:実際の仕事ではこう分ける
- 個人の意見:WorkとCodexの間に引き継ぎを残す
- 利用前に確認したいこと
- まとめ
公式情報:新しいChatGPTにはChat、Work、Codexがある
2026年7月9日、OpenAIはChatGPT Workを発表しました。同時に、これまでのCodexアプリは、新しいChatGPTデスクトップアプリへ統合されました。
ここで統合されたのはアプリです。CodexがWorkへ吸収されたわけではありません。デスクトップアプリの中には、Chat、Work、Codexが別のモードとして用意されています。
OpenAIのChatGPT Work and Codexでは、三つの役割を次のように説明しています。
| モード | 公式に示されている主な役割 | 代表的な動作 |
|---|---|---|
| Chat | 質問や会話 | 質問、検索、アイデア出し、短い相談 |
| ChatGPT Work | 長めの調査と成果物の作成 | 調査、分析、文書・表計算・スライド・レポート・Siteの作成 |
| Codex | ソフトウェア開発と技術作業 | コード作成・修正、テスト、コマンド実行、差分確認、リポジトリ操作 |
これは「それ以外はできない」という一覧ではありません。OpenAIが、それぞれを選ぶときの中心として示している役割です。
公式情報:Workは調査から成果物を作る
OpenAIはChatGPT Workを、アプリやファイルをまたいで情報を集め、目標を完成した仕事へ変えるエージェントとして説明しています。
具体的には、次の動作が案内されています。
- Slack、Teams、Drive、メール、カレンダーなどから情報を集める
- 複数の情報を調べ、分析する
- 文書、表計算、スライド、レポートを作る
- 既存のテンプレートや参考資料に合わせて成果物を整える
- Siteを作り、ダッシュボードやプロジェクト管理画面として共有する
- Scheduled Tasksで、定期実行や変化の監視を行う
WebとモバイルのWorkはクラウドで動きます。デスクトップ版のWorkは、許可したローカルファイルやデスクトップアプリも扱えます。組み込みブラウザやComputer Useを使い、画面上の操作を進める機能も案内されています。
公式情報だけを見ると、Workは単なる文章生成ではありません。情報収集、計画、アプリ操作、成果物作成までを一つの仕事として進めます。
公式情報:Codexは技術作業の専用エージェント
現在の公式ヘルプでは、Codexはソフトウェア開発と技術作業を担当する専用エージェントとされています。
Codexは、ローカルフォルダ、リポジトリ、ターミナル、開発ツールを扱います。
具体的には、次のような動作です。
- リポジトリの構成や既存コードを読む
- ソースコードや設定ファイルを変更する
- ターミナルでコマンド、テスト、ビルドを実行する
- 変更差分を表示し、レビューできる形にする
- 不具合の原因を調べ、修正後に再検証する
- 複数のリポジトリを一つのプロジェクトで扱う
Codexは、回答を書いて終わることを前提にしていません。実際のファイルを変更し、コマンドを実行し、その結果を見て次の修正へ進みます。
公式情報:両者の機能は重なっている
ここまでが公式の主な役割です。ただし、OpenAIの公式情報の中にも、WorkとCodexの機能が重なる例があります。
What is ChatGPT Codex?では、Codexは開発者以外も利用でき、複数の情報源から情報を集め、文書、スライド、表計算を作れると説明されています。
一方、ChatGPT WorkはSiteやWebアプリを作れます。エンジニアリング部門での利用例も紹介されています。
また、デスクトップ版では、WorkもCodexもローカルファイルやツールに触れられます。プラグインによる外部サービスへの接続や、人による確認・承認も、両者に関わります。
公式情報から確認できる重なりは、次の通りです。
| 重なる領域 | ChatGPT Work | Codex |
|---|---|---|
| 複数のファイルを読む | 調査や成果物作成の材料として読む | 作業対象や技術資料として読む |
| 文書や表を作る | 主な成果物として作る | 作業の一部として作れる |
| Webを扱う | 調査、ブラウザ操作、Site作成 | 動作確認、ブラウザ操作、Web開発 |
| 外部ツールへ接続する | 業務情報の取得や更新 | 技術作業やワークフローの実行 |
| 長い仕事を進める | 調査、分析、資料作成を複数段階で進める | 実装、テスト、修正を複数段階で進める |
ここまでが、OpenAIの公式情報から整理できる内容です。
個人の意見:何を正本として残すかで決める
ここからは、私の使い分けです。OpenAIの公式な分類ではありません。
私は、「最終的に何を正本として残したいか」で選ぶと分かりやすいと考えています。
文書、表計算、スライド、レポートを正本として残したいならWorkを選びます。
コード、設定ファイル、テスト、実行できる仕組みを正本として残したいならCodexを選びます。
この考え方なら、同じ「データ分析」でも分けられます。
経営会議で使う分析レポートを完成させたいならWorkです。毎月同じ分析を再実行できるSQL、スクリプト、データ処理基盤を残したいならCodexです。
誰が使うかで分ける必要はありません。エンジニアが会議資料を作るならWorkが合います。非エンジニアが業務用の小さなアプリを作るならCodexが候補になります。
個人の意見:実際の仕事ではこう分ける
ここからの表も、公式仕様ではなく、私が実務で選ぶときの目安です。
| やりたい仕事 | Workで進める場合 | Codexで進める場合 | 私ならどうするか |
|---|---|---|---|
| 競合調査 | 情報を集め、比較し、報告書やスライドにする | 収集・分析用のプログラムを作る | 単発の調査はWork、繰り返す仕組みはCodex |
| Webサイト | 調査結果や計画をSiteとして共有する | 既存サイトのコード、CMS、APIを変更する | 共有用SiteはWork、運用するWebシステムはCodex |
| データ分析 | 数値を読み、グラフと説明を含む報告書を作る | SQL、Notebook、定期集計処理を作る | 説明資料はWork、再現可能な分析処理はCodex |
| Excel | 資料から表を作り、分析やグラフをまとめる | 開いているExcelを直接操作する、マクロや連携処理を作る | 成果物中心ならWork、操作・仕組み中心ならCodex |
| 業務改善 | 現状を調査し、業務フローや提案書を作る | 自動化スクリプトや業務ツールを実装する | Workで整理し、Codexで実装する |
動作で見ると、Workは成果物を中心に作業を組み立てます。必要な情報を集め、読み手や用途に合わせて、資料として完成させます。
Codexは作業環境を中心に動きます。リポジトリを読み、ファイルを変更し、テストを実行し、動かなければ直します。
両方で実行できる仕事でも、何を確認するかが変わります。
Workでは、出典、数値、前提、表現、レイアウトを確認します。Codexでは、差分、動作、テスト、権限、セキュリティを確認します。
個人の意見:WorkとCodexの間に引き継ぎを残す
WorkとCodexは、どちらか一方だけを使うものではありません。
たとえば、新しい社内ツールを作るなら、次のように分けられます。
- Workで、会議メモ、現場の要望、既存資料を整理する
- Workで、要件、対象業務、確認事項を文書にする
- 人が内容を確認し、実装してよい範囲を決める
- Codexへ要件文書を渡し、リポジトリへ実装する
- Codexでテストし、実画面と変更差分を確認する
- Workで、導入手順や利用者向け説明資料を作る
大事なのは、WorkとCodexが自動的に意図を共有していると考えないことです。
目的、前提、変更してよい範囲、完成条件、人が確認する点を、引き継ぎ文書として残します。人間が確認できる正本を間に置くことで、調査から実装へ移るときのずれを減らせます。
利用前に確認したいこと
ここは公式情報にもとづく注意点です。
ChatGPT Workは段階的に提供されています。デスクトップ、Web、モバイル、契約プラン、組織の設定によって、表示される機能や操作できる範囲が異なる場合があります。
公開時点では、Web・モバイル上のWork、デスクトップ上のWork、Codexのタスクが、すべて同じ履歴として自動的に同期されるわけではありません。どの画面に会話とファイルが残るかは確認が必要です。
また、Codex、ChatGPT Work、ChatGPT for Excelなどは、利用できるプランでは同じエージェント向けの利用枠・クレジットを使います。長い調査や大きなリポジトリの作業は、短い質問より多くの利用枠を使う可能性があります。
外部サービスを扱える範囲は、プラグイン、利用者の権限、組織の設定に従います。外部への送信、ファイル更新、顧客情報の変更など、影響の大きい操作には人の確認を残した方がよいです。
まとめ
ChatGPT WorkとCodexの境界は、完全には分けられません。
WorkはSiteを作れます。Codexも文書、スライド、表計算を扱えます。デスクトップ版では、どちらもファイルやアプリを操作できます。
その上で、OpenAIは主な役割を分けています。
Workは、調査や分析から文書、表計算、スライド、レポート、Siteなどを作るものです。Codexは、コード、テスト、コマンド、リポジトリを扱う技術作業のためのものです。
ここから先は私の整理ですが、迷ったときは、何を正本として残したいかで考えます。
資料を残すならWork。コードと動く仕組みを残すならCodex。短い質問や相談ならChat。
調査から実装まで続く仕事では、Workで要件や判断材料を整理し、人が確認した上でCodexへ渡す。そして、Codexで実装した内容をWorkで説明資料へまとめる。このように工程で分けると、機能の重なりに迷いにくくなります。
公式情報
- ChatGPT Work and Codex | OpenAI Help Center
- ChatGPT is now a partner for your most ambitious work | OpenAI
- ChatGPT Work with GPT-5.6 | OpenAI
- What is ChatGPT Codex? | OpenAI Academy
- Using Codex with your ChatGPT plan | OpenAI Help Center
- Creating and editing documents, spreadsheets, and presentations with ChatGPT Work | OpenAI Help Center
※ 本記事は2026年7月13日時点のOpenAI公式情報をもとにしています。ChatGPT Workは提供開始直後のため、対象プラン、対応画面、機能は変更される可能性があります。